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和服の手入れと保存

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◆虫害と予防

musi01衣服を食べる虫の種類は、大きく2つに分けることができます。
ガ類…イガ、コイガ、モーセンガ(成虫になるとガになって飛び回ることが特徴です)
甲虫類…ヒメマルカツオブシムシ、ヒメカツオブシムシ(成虫が甲虫になって飛翔するのが特徴です)
これらの害虫は、卵→幼虫→サナギ→成虫→産卵 と、一定の期間に規則正しく4過程の終期を繰り返します。この周期の状態は虫の種類によって異なり、成長過程によっても食べ物が異なり、衣類を食べるのは幼虫期です。
幼虫期の活動は、3月~11月で、特に湿度の高い6月~10月が最も盛んです。虫害といえば、大部分が羊毛製品を対象とするもので、その他の繊維製品に対しては、それほど著しい虫害は見られませんが、羊毛繊維はタンパク質で構成され、柔らかく幼虫の食料として好適です。同じタンパク質の繊維でも絹製品に対する虫害は少ないとされていますが、現在は、住宅の機密性が高いのでカビにも注意が必要です。

◆虫干し

kimono001土用(7月下旬~8月上旬)の頃は絹、木綿、麻類はカビが生えやすいので、よく晴れた空気の乾燥した日に、風を通してカビや虫の害を防ぎます。しかし、その頃にカツオブシムシが蛾になり産卵期となるので、毛織物は秋に(9月下旬~10月上旬)虫干しをした方がよいとされています。
虫干しの方法は、快晴が数日続いたあとの乾燥した日を選んで行います。午前9時頃~午後3時頃まで風通しのよい部屋にロープを張って着物を掛け、時々向きを変えて全体に風が通るようにしましょう。また、シミなどが付いていないか調べながら畳んで収納し、シミを発見したら早めに取っておくか、染み抜きやさんに持って行った方がよいでしょう。シミの内容によっては、虫害やカビの原因になる場合があり、時間が経てば経つほど、取りにくくなります。((一社)日本和裁士会編 和服裁縫上巻を参考にしました)

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