この夏、浴衣は基本的な家庭着、花火大会や夏祭りの着物からカジュアルな街着へと、若者のファッションとして人気があるようでした。意外な場所で、若い男性の浴衣姿を見ました。また、服地店の「和」コーナーで浴衣反物、帯、柄足袋など扱っていて、足袋型紙もセットになっているものもありました。浴衣の着姿や色柄は、それぞれのお好みですが、「涼しそう」が最大の褒め言葉です。浴衣をクリーニングに出したら、身丈が短くなってしまったという経験をされた方は、仕立てる時に色々な方法で工夫されていると思います。女物の場合、一例として私が使っている方法を紹介します。
着用時のお端折りの山(左図では線A)と身頃(線B)の位置に糸印をします。肩山から線Aまでの距離と、線Bから裾までの距離の寸法を、前身頃後身頃それぞれ記録しておくと便利です。お端折りを綴じる方法は、線Aを山にして畳み、線Cの位置で綴じます。子供物の腰と同じですが、上前の衿の所は余分な部分が出たら、衿幅に揃えて中側に折って綴じます。下前は自由です。寸法を記録していれば、どの位置で揚げ縫いをしたらよいのか迷わなくて済みますし、衿先が下前身頃の上着丈に合うので、綴じてあるようには見えません。なお、身丈が短い着物を仕立てる場合、褄下はその人に合った寸法にします。少し衿の流れの斜めが急になりますが、工夫してください。お端折り分15cm~19cmあれば帯を締めれば縫い目は見えません。一度お試しを。