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2010年8月23日、名古屋市西区の愛知県職業訓練会館にて、午前9時30分より(社)日本和裁士会中部ブロック主催による「プロ和裁士によるワンポイント講習会」が行われました。講師および指導員は牧野俊一組合顧問、内藤武支部長、福井ひとみ理事、牧野守理事が勤め、高校の被服に携わる教諭6名が受講しました。
午前中は牧野顧問による、「今のきものの原型である小袖の形の違いや、きものの左側が上前となった歴史」「関東と関西、また着る場所や用途によっての仕立ての違いや着付けの違い」「最近の体形の変化に対応した寸法の決め方や仕立ての方法」などの講義が行われました。
午後からは内藤支部長が講師となり、実技講習を行いました。基本の運針から始まり、単衣の着物の額縁、袂丸みの絞り方、バチ衿の衿付け・衿先の縫い方、納め方などの部分縫いをし、きれいに仕上げるためのコツを説明しました。理事らによる実技中、受講者は待ち針の打ち方や布の持ち方、手の動かし方など日頃の疑問を投げかけ、少人数ならではの、きめ細かい講習会となりました。

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その後、アンケートを行い、予定していた午後4時30分に講習会を終了しました。主なアンケート内容は、以下の通りです。
◆くけの要領や、鏝を使っての布の伸ばし方など、教科書には載っていないコツがよく解りました。
◆体型による寸法を丁寧に指導していただき、とても参考になりました。学校の生徒の中に腰回りの大きい生徒が、どのように寸法を広くしたらよいのか、バランス(後幅と前幅、衽幅)がよく分からないところがありましたが、今日のご指導でよく分かりました。実技の袖丸みや衿付け衿先等、日頃授業ですぐ役立つ内容をワンポイントとして部分縫いでき、とても良い講習会になりました。今後役立ててゆきたいです。
◆標準寸法と裁断について生徒に指導する時に悩むことがありましたが、今回の講習会で勉強したことを活かして指導してゆきます。また、実技では色々なコツを教えていただけて良かったです。
◆なかなかきれいに仕上げることができない部分のポイントは、大変勉強になりました。サイズの違う体型に合わせた布の取り方として、裄が長く腰回りの小さい人に対する対処法が知りたかったです。内揚げ以外で何か良い方法がありますか?布幅が広くなった分、縫い代が多くなる人がいると思いますが、その時の対応も知りたかったです。