2011年1月8日、愛知・岐阜・三重・長野県下の和裁組合で組織されている中部日本和裁組合連合会新年懇親会が名古屋市熱田区にある懐石料理「辨天(べんてん)」にて行われました。
この連合会は、昭和38年東海三県の各地区の代表者が加工料問題について、お互いの情報交換や対策を話し合う会で、名称は東海三県和裁組合連合会とし、その後、長野県と中部日本和裁教授連合会が加わり、現在の名称に改称しました。今回の新年会は参加者37名が熱田神宮本殿横に集合し、全員で垣内参拝を行い懇親会会場へ移動をしました。

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午後12時30分より新年懇親会が行われ、始めに愛知和服裁縫業協同組合の西岡理事長が挨拶をし「愛知県の組合では平成3年以来、20年間加工料を改定していませんでしたが、昨年より呉服屋さんではなく一般の方向けに加工料表を作成しています。特に、着物の寸法直しや、リサイクル・リメイクといった加工料まで、細かく表してゆこうと思っています」と挨拶。次に中部ブロック長でもある福澤長野県支部長は「成人式に着物をと、ある地区に呼びかけたところ、男性の方はレンタルだとは思いますが全員着物で参加していただきました。また、先輩方の技術を残すためにも、和裁の基礎を改めて学ぶ勉強会を頑張って行いたいと思います」と述べられました。岐阜和服裁縫業組合の廣瀬組合長は「組合の若い人達に組合を存続してもらうためにも、仕事の確保でお寺さんなどを巡ってローラー作戦を展開しています。また、加工料を少しでも上げるためにも、組合として交渉を行っています」と岐阜での活動を報告されました。その後、秋月三重県支部長が挨拶されました。
そして日本和裁士会の牧野顧問は「今まで和裁士会は着やすい着物、美しく着られる着物を目指した技術へのこだわりがありましたが、最近の着方を見てみますとだいぶ欠落しているように思えます。私たちはもう一度勉強をし直して、昔覚えたことを思い出して仕事に活かし、この会を盛り上げていただきたい」と挨拶し乾杯の音頭を取りました。
名古屋名物「ひつまぶし」に舌鼓を打ち、しばらくの歓談の後、熱田神宮で頂いた撤撰を配布。最後に和裁士会の深谷相談役が、三本締めで閉宴となりました。

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