平成29年年4月20日、名古屋市中区栄の名古屋クレストンホテルにて、第67回修・卒業式が午前11時より、第103回平成29年定時総会が午後12時30分より行われました。
◆修・卒業式
今回の修・卒業式には、1~3ヶ年修了生、全科卒業生、和裁士認定者の合計10名が参加し、それぞれの修了証書と卒業証書、着装士補・着装士認定書、和裁士技能検定1~2級合格証、和裁教員免許証、5ヶ年以上にわたり和裁技能を習得し優秀な技能者に対し表彰状、そして和裁教員免許証などを取得し和裁士として認定された和裁士認定証を、授与しました。
その後、西岡理事長は、式辞の中で「日本人が守べきもの、あるいは伝えるべきもの、として『和の文化』の見直しの流れは、大きなうねりとなって成長しているようです。皆様が和裁を通じて、リサイクル・リフォームなど、日本人の着るものに対する素晴らしい知恵を絞り、多くの人々に伝える役割を果たしてほしいと思います。また、日本和裁士会が、スローガンとしている『縫って・着て・着させられる』素晴らしい和裁士を目指し、これからも、和裁の技術を次の世代に伝えるようにお願い申し上げます。」と述べました。また、(一社)日本和裁士会の手島会長の言葉を河合副支部長が代読しました。
修・卒業生を代表して後藤郁実さんは「最初は、ただついて行くのに精一杯で、自分の置かれた状況がよく見えていませんでしたが、少しず経験を積んでゆくと技術の難しさと自分の未熟さを痛感するようになりました。挫けそうになる事もありましたが、そのたびに自分を支えてくれた先生方、先輩、後輩、そして家族にとても感謝しています」と述べ、最後に「国家検定1級の取得を直近の目標とし、今まで作ったことの無いものにも挑戦してみたいと思っています今日の修・卒業式を一つの通過点とし、より一層努力し精進してまいります」と、答辞を読み上げました。
式典終了後、修・卒業生の集合写真を撮影し、終了となりました。
◆定時総会
総会に先立ち、平成28年度の表彰された方の紹介と、新しく(一社)日本和裁士に入会された後藤さんに会員証を授与されました。
総会冒頭で、西岡理事長は「生活習慣や少子化などによる和服需要の衰退、様々な要因から発生した海外縫製の定着など、和裁業界に困難な問題がたくさん有ります。このまま放置すれば、着物業界に優秀な技術者がいなくなってしまうという苦境であります。一流の和裁士になるためには、長い年月が必要であり、一朝一夕には技術は習得できません。また伝統を守り抜く努力をしなければ、永年受け継がれた和裁技術は失われてしまいます。和裁士がこの道に専念していくためには、長い年月の修業によって得られた高い技術に対して、正当に評価され、職業とし成り立たせ、生活の安定を得なければなりません。そして、移り変わる生活様式に伴い、和裁も絶えず創意と工夫を加えて行かねば、時の波に取り残されると思います。」と挨拶しました。
その後の議案審議では、全ての議案は可決されました。今回は2年に1度の役員改選期で、引き続き西岡理事長が続投することとなりました。
その後、河合副支部長が今年9月3日・4日に岐阜県関市で行われる第31回中部ブロック和裁指導者研修会の案内を行い、総会が終了しました。
懇親会は、隣の会場へ場所を移し行われ、牧野俊一顧問の乾杯で開宴しました。組合員同士の会話も弾み、終始、和やかな雰囲気の中、懇親会は後藤相談役の一本締めで閉宴となりました。