2013年6月11日、名古屋市西区の「ウェスティンナゴヤキャッスル」二階天守の間にて愛知和服裁縫業協同組合創立100周年、(一社)日本和裁士会愛知県支部設立60周年記念式典および祝賀会が盛大に行われました。
記念式典は、中部経済産業局、愛知県、名古屋市をはじめ関係諸団体、各地の和裁組合や和裁士会支部など和裁関連の方々、(一社)日本和裁士会本部役員経験者等を中心として各地の和裁士OB・OGの集まり「紫紺会」の方々を迎え、約140名余りが出席しました。
午後1時30分より記念式典が行われ、第一部の記念講演は「和楽の世界に生まれて」と題し、和泉流狂言方野村派十四世当主 野村又三郎氏の講演がありました。野村氏は、この地方の和服の習わしや、伝統文化を現在の若者に伝える難しさ、特に言葉の表現について述べられました。
引き続き第二部は、物故者追悼、来賓紹介があり、その後、西岡理事長が「この百年の間、歴代の組合長を始め多くの方々のたゆまぬ努力があり、現在の組合があります。その献身的なご努力には、本当に頭の下がる思いで一杯でございます。百周年を迎えた今日、和裁業界の厳しさは誰もが肌に感じていると思います。後継者の激減、仕立ての海外流出など、厳しい状況が続いています。着物は長い歴史の中で培かわれてきたわが国の伝統文化の象徴です。後世に伝えていく事は、現在和裁業に関わっている私たちの使命であると思います。百周年を節目に、さらに(一社)日本和裁士会・各支部の皆様との連携を深め、知恵と勇気を奮い、頑張っていきたいと思っています。」と挨拶しました。その後、組合・支部功労者への表彰状・感謝状贈呈が行われ、来賓祝辞として中部経済産業局産業部製造産業課課長補佐の甲斐聖也様よりご祝辞をいただき記念式典が閉会となりました。
祝宴は午後3時より行われ、最初に和泉流狂言方野村派ご一門による狂言「三番叟」が披露されました。【能「翁」の狂言方役割「三番叟」ことの始まりを象徴するもので、演者は数日間の精進潔斎をして臨むなど神事に匹敵するといわれている】
開宴の言葉の後、サプライズで二期に亘りご苦労された渡辺正則日本和裁士会前会長に遠路はるばる沖縄からお越しいただいた熊谷先生より花束が贈呈され、続いて、手島明彦新会長よりお祝いの言葉をいただきました。そして、乾杯の音頭を草川重良元会長が行い祝宴となりました。針供養など組合行事でお世話になっている若宮八幡社宮司の副野均様からお祝いの言葉をいただき、その後牧野顧問と深谷顧問が紫紺会にまつわる話をされました。「懐かしのアルバム」と題し、和裁士会設立当初の写真や、愛知和服裁縫業協同組合の思い出深い写真をスクリーンに投影しました。また、東京支部の森岡正博先生の篠笛の披露や、同支部佐藤彰先生のお祝いの言葉と唄の披露もありました。
浜義和元会長の一本締めで宴を「お開き」にし、最後には平林副理事長から、組合役員の大幅な改選があった90周年からの10年間、組合が行ってきた事業の大要述べ「さらなる節目に向かい、最初の一歩をみんなで踏み出して参ります」と挨拶をし閉宴しました。その後、同会場内で参加者全員揃って記念写真を撮影、解散となりました。
その後、予め準備の整った別室で「紫紺会」が行われ懇親を深めていただきました。