2012.8.20 ワンポイント講習会

2012.8.20
ワンポイント講習会

2012年8月20日名古屋市西区にある職業訓練会館にて日本和裁士会中部ブロック主催の「熟練プロ和裁士によるワンポイント講習会」が行われました。講師には牧野顧問、朝倉副支部長、牧野副支部長、福井理事が務め、被服に関わる高校の教諭7名が受講しました。
初めに朝倉副支部長は「今年度から中学校で和服に関わる授業が始まりました。和服には日本人の知恵がいっぱい詰まっています。これを機会に物を大切にする日本文化を、生徒達に伝えてください」と挨拶しました。講義では、牧野顧問が寸法の決め方などを説明し、「初という漢字は、衣に刀と書きます。裁縫は初めに布を切ることから始まりますがそこからできた漢字です」と着物にまつわる言葉も解説しました。
実技講習では朝倉副支部長が担当し、プロジェクターを使って道具の説明、指ぬきの作り方、針の持ち方から布の縫い方やくけ方を一つの動作を説明しました。その後、紙を使って額縁のたたみ方や実物大の浴衣の袖を講習しました。時折、学校の授業での疑問点を講師らに質問したりと、少人数ならではのきめ細かい講習会となりました。最後にアンケートを行い、午後4時に終了しました。アンケート内容は以下の通りです。
(抜粋)
◆講義、基礎縫い実習という構成で大変わかりやすかったです。基礎縫いを自信を持ってできれば、その後の製作もスムーズに進めることができることに、改めて気づかされました。◆高校、大学と基本的なことを学んできたつもりでいましたが、まだまだ知らないことが多く、とても楽しく学ぶことができました。正直、間違えて教えたところもあり、学校へ戻って生徒に教え直さなければならないと反省しております。◆午前中の講義も、繰り越しや身八ッ口の体型別寸法などわかっているようで知らないことばかりで楽しかったです。浴衣を作る前にこのような講義をすると生徒も楽しく、何となくイメージが持てるのではと思いました。◆教員として、日本人として生徒達に和服の文化、良さを伝えてゆけるようにしてゆきたいと思います。◆体型毎の裁断方法があることがよくわかりました。道具の説明や指ぬきの製作から、基礎縫いなど丁寧に教えていただけてよかったです。大学で学んだ時よりも本格的に学べたような気がします。技術は運針からまだまだですが、頭の中で整理ができたようです。やはり実際に見せていただけたことはよかったです。◆和裁用語についても歴史的背景から教えていただき、自分の無知を改めて知ることができました。和裁の中に含まれる多くの教えを、生徒達に伝えられるように授業内容を考えてゆこうと思います。