2011年5月18日、名古屋市西区にある愛知県職業訓練会館にて、愛知和服裁縫業協同組合および(社)日本和裁士会愛知県支部の第97回平成23年定時総会が行われました。
総会に先立ち、平成22年度に表彰を受けた方の紹介と、(社)日本和裁士会会員証授与式が行われ、河合副支部長より会員証が手渡されました。
総会では、西岡理事長が、東日本大震災被災者への義援金を呼びかけた後「大正3年を設立とする組合が100周年を迎えるのはあと2年ですが、これまでには戦後の混乱期を乗り越えられ、諸先輩方は組合を運営してこられました。現在では、教育部、厚生部、広報部、着装部が中心となり運営を行っていますが、組合員の皆様一人一人が和裁技術の伝承者であり、技術の研鑚を行ってゆかなければならないと思います」と述べました。その後、議長選任、定足数の発表があり、議案審議の入りました。
平成22年度事業報告の中で平林副理事長が組合の状況を説明し、「東日本大震災が、私達業界に及ぼす影響ははかりしれないものがあります。震災や原発事故による消費者の価値観の変化、呉服店や百貨店などの呉服販売動向の変化などにも関心をもち、変化への対応に関心を払ってゆく必要があります。また、今後一般ユーザーから直接受注する機会が増すという予測もあります。手間に見合った加工料をいただくことも大切な一方、加工料に見合った技術の提供などを改めて検討しなければなりません。そして、求められる消費者ニーズの多様化に伴う技術講習会の実施や個々の皆さんが持つ専門技術のPRを行い、生活の安定と社会的地位の向上を目指してゆこうと考えます。プロ集団として誇りを持ち続けるためには、深い探求心とたゆまない技術の向上を目指し、和服裁縫で生活が成り立つような環境作りが急務です。」と、組合や組合員に関わる事項も説明しました。その後の役員改選では深谷支部顧問が、「内藤支部長が体調不良のため役を辞し、新支部長を選任しなければなりませんが、現在、私たちの仕事が大変厳しい状況の中、組合と支部の長を西岡理事長が支部長を兼務し、サポートする副支部長を四名とすることによって、協力して支部運営を行っていただきたい」と述べ、相談役、理事、監事の指名推薦し、2名の新役員が加わった役員の体制を発表しました。
その他の議案では、朝倉理事が東日本大震災における義援金について「もうすでに修卒業式での登録生が募金をしていただいたり、県内の岡崎和裁組合組合員の皆様より義援金を頂戴しています。組合として全ての組合員の皆様にご協力をしていただき、被災者の方たちに送ろうと考えます。その徴収方法としまして、後期組合費の徴収分に義援金として1,000円加えた金額を引き落としをさせていただきたいと思います。また、登録生の皆さんから募った募金や、もう少し協力をしたいという方は、後日、振込用紙を送りますのでお振り込みをお願いしたいと思います」と述べました。また、牧野組合顧問は組合創立百周年事業の一環として、記念事業積立金の半分を義援金にすることを提案されました。以上の全ての議案について審議され満場一致で可決し、総会を終了しました。