【名古屋市・若宮八幡社】
 名古屋市では、中区にある若宮八幡宮にて針供養祭が行われました。神事は午前11時より始まり、愛知和服裁縫業協同組合および(一社)日本和裁士会愛知県支部が加盟する針塚奉賛会の氏子総代の方々によって執り行われました。始めに御衣神社で神事が行われ、宮司の「針の災い無く」と祝詞奏上後、地元の氏子総代らと共に愛知和服裁縫業協同組合西岡理事長と(一社)日本和裁士会愛知県支部牧野副支部長が玉串を奉奠。その後、針塚の前での神事が行われました。

 昨年はオミクロン株によるコロナ第六波の為に、そして一昨年は「ソーシャルディスタンス」という新しい言葉により、針供養祭の様相はこれまでと大きく異なるものとなりました。今年はまだマスクは外せないものの、暖かい日差しの中、神事の為に多くの人々が集まり肩を寄せ合ういつもの光景を目にする事が出来ました。

 今年から「参拝券」の取り扱いが変わり、まとまった本数の針を納めるにあたっては「参拝券」の購入が必要ですが、蒟蒻やお豆腐に針を数本刺す程度であれば「参拝券」無しでお参り出来るようになりました。境内で開催されている移動販売のマルシェも拡張されており、最初はお豆腐を作ってくださっている「豆粋」さん一店舗だったのが、八百屋さん、雑貨屋さん、お菓子屋さん等々、今年は似顔絵のブースや歯ブラシの専門店もありました。また、ちゃんこ鍋や唐揚げ等のキッチンカーもいくつか出店されていて、お参りとあわせてお買い物だけでなく飲食も出来るようになりました。
 2月8日の針供養祭が和裁士の方々だけのものでなく、針を手にする多くの人に広まり、日ごろ酷使する針を労いつつ楽しく過ごせる一日になる事を願っています。
 

【岡崎市・龍城神社】
 岡崎市康生町の龍城神社で第48回岡崎和裁組合主催の針供養祭が行われました。梅の蕾もほころび始め、前日の寒さと打って変わり日差しが穏やかでした。
 今年も感染症対策のため組合員10名のみ社殿内で、30名ほどの一般の方は屋外にてのお参りに訪れました。
 社殿の神事では、神主さんの祝詞と巫女の舞ののち、代表者が大きな豆腐に針を刺してから玉串奉納を行い、一年の針仕事への感謝と技能の上達を願いました。社殿の外にいる方にも窓を開放し、折れ針を豆腐に刺していただきました。
 今年度は大河ドラマで岡崎城が取り上げられていることもあり、平日にも関わらず全国からの観光客でにぎわっており、とても明るい雰囲気で行事を終えることができました。

【豊橋市・神明社】
 恒例行事の豊橋地区針供養祭が2月8日豊橋神明社で行われました。当日は例年になく穏やかな一日となり祭事は滞りなく行われました。新型コロナウイルスの蔓延後少人数の組合員での開催が定着し行われています。
 組合員の高齢化と減少により今後の開催がいつまで続けられるか不安がありますが60年以上続く行事をすこしでも長く続けられるよう組合員の協力が必要のようです。