第34回中部ブロック研修会が、10月4日に長野県駒ケ根市で開催されました。会場は竹林や雑木林に囲まれたログハウス型セミナーハウスで、窓から見える木漏れ日が美しい緑豊かな環境の中、久しぶりの研修会となりました。
河合ブロック長が開会挨拶の中で「コロナ禍の中、リモートが便利であると周知されましたが、こうして実際に顔を合わせることを多くの人が待ち望んでいたと思います」と述べられました。
令和元年10月に開かれた全国和裁研修会で清水長野県支部長から「来年は駒ケ根での開催です。是非お越しください」とお声を掛けて頂いてから3年。ようやくここに来ることが出来たのだなあ、と感慨深いものがありました。
第一部 講演
「郷土の偉人・天下の糸平(田中平八)」
~生糸貿易で成功した田中平八という人物~
講師 駒ケ根シルクミュージアム館長 中垣雅雄氏
生糸貿易や為替相場で莫大な財を成した駒ケ根の偉人、田中平八の豪快な人生を、数々のエピソードと共に解説して頂きました。農家の三男が「天下の糸平」と呼ばれる豪商になるまでにはいくつものピンチがあり、しかしそれをチャンスに変える頭の良さと大胆さが平八にはありました。大河ドラマの主人公、そして新1万円札の顔として有名な渋沢栄一とも深い繋がりがあったようで、このような人物が今この時代に存在したらどんな行動をとっているだろう?そんな想像をきかたてられる講演でした。
第二部 体験してみよう!繭クラフト
蚕の繭をつかった繭クラフトに挑戦しました。体験工房の指導員さんに教えて頂きながら、繭を切ったり貼り付けたりして可愛い兎を作りました。一見簡単そうで実は細かい作業を必要とする繭クラフト。思ったような兎にならない人が続出で、和裁とは違う難しさに苦戦しつつ、ものづくりの楽しさに触れるひと時でした。
研修会が終わった後は研修会場のすぐ近くの「駒ケ根シルクミュージアム」へ移動し、館内を見学しました。生きているお蚕さんを見る事が出来たり、絹だけでなく綿花についてやハイブリッドな繊維についても展示・解説があり、とても興味深く拝見しました。東名高速道路と中央自動車道が集中工事をしていた為、帰路の渋滞を考えるとあまりじっくり見学出来ませんでしたが、また改めて訪れたいと思いました。
今回の研修会では懇親会は無く、シルクミュージアムの見学の後はそれぞれに帰路につきました。コロナの心配だけでなく会員数の減少なども鑑みると、研修会の形も今後変わらざるを得ないのかな、と感じました。来年は岐阜県での開催です。どのような研修会になるのかとても楽しみです。