2010年5月14日名古屋市北区にある魚鉄にて、愛知和服裁縫業協同組合および(社)日本和裁士会愛知県支部の第96回平成22年定時総会、協同組合設立30周年記念式典および記念懇親会が行われました。
総会に先立ち、平成21年度各種表彰者の紹介、(社)日本和裁士会新入会員証授与式が行われ、内藤支部長より一人づつ会員証が手渡されました。総会では、西岡理事長が「愛知和服裁縫業協同組合創立百周年まであと4年。これまでの組合の歴史を振り返ってみますと戦中戦後、オイルショック、バブル崩壊、リーマンショックなど社会状況が大きく変化する中で、和裁士会や県、市など関係団体のお力添えで組合を存続させ、今の体制が出来上がりました。現在、和裁業界は多くの問題を抱え、私たちはその渦の中で不安を抱きながら毎日を過ごしています。組合では平成18年に事務所移転、購買事業の縮小、そして本年長年事務局員をして頂いた平松さんに大変残念ですが退職して頂くことになり、大きく変化をしなければならない状況におかれています。組合員の皆様には不便やご迷惑をお掛けしますが、これからの事務業務等は、理事を中心にこれまで通りに行いますので、一層のご協力をお願いいたします。」と挨拶しました。
続いて内藤支部長は「以前として続く不況の中、我々にとって人材や仕事量の確保が非常に難しくなってきました。昨年のアンケートの結果を見ましても、加工料はまだ低い水準です。大変厳しい状況ですが、技術を落とさず加工料を維持し頑張ってゆきたいと思います。」と挨拶しました。
総会では、西岡理事長を議長に選任し、牧野守理事が定足数を報告し、議案審議に入りました。全ての議案は満場一致で可決され、朝倉専務理事よりこれからの組合業務についての説明があり、「現在の事務所は7月31日をもって廃止し、生徒登録や技能検定等の各種申込などは組合だよりを通じて行いますので、必ず期限内に申し込みください。後日、組合だよりにてご案内しますが、各事業には各部会の責任者が担当しますので、お問い合わせください。」と案内がありました。続いて内藤支部長より今年から始まる着装の国家検定(着付け職種技能検定)の特例講習、実技試験の日程の説明があり、付随して着装を担当している内藤幸子相談役からは「第1回目となる今年に受験することは、大きなメリットがあります。支部会員ではなくても免除資格があれば、お互いに声を掛け合って、ぜひ申し込みをしてください。」と案内されました。
その後、午後12時より同会場にて協同組合設立30周年記念式典および記念懇親会が行われ、司会を牧野守理事が担当しました。始めに組合の物故者に対し黙祷を捧げ、西岡理事長が挨拶。続いて長年組合理事として組合に携わってこれれた加藤一夫さんと事務局長としてご活躍された平松利允さんに感謝状が授与されました。そして協同組合設立当時より組合と深く関わりを持つ深谷勲顧問は「協同組合設立に当たっては、現在組合の会計士である増井先生にお願いして、協同組合法の勉強から始め、申請書を作って牧野さんと通産局へ行った覚えがあります。しかしながら協同組合を作るのにはお金が掛かります。ちょうどその頃は、和裁部門が国家検定に指定され軌道に乗ってきた頃で、その学科試験の参考書をどうするかと考え、昭和51年「わさい」の本を作り、その収益で組合員の方からは1円ももらわず、協同組合設立の資金源となりました。その後「わさい」の本は、和裁士会の「新版和服裁縫」となりました。そして昭和53年に組合事務所を開設し、キーステーションとして非常に大きな機能を果たしてきたと思いますが、協同組合設立から30年、常駐事務局員がいる事務所が無くなるということは感慨深いものがあります。現理事の皆さんは、スムーズに事業を行って頂きたいと願うと共に、創立100周年まであと4年、少なくともこの灯火を消さないように前進してください。」と話されました。
午後1時より懇親会が、加藤明美理事の司会で行われ、後藤相談役の乾杯で開宴となりました。その後、シワ取りスプレーの販売や組合ホームページの案内などがあり、終始和やかな雰囲気の中、朝倉相談役の一本締めで閉宴となりました。