伝統文化シネマ鑑賞会で「沖縄喜如嘉の芭蕉布」という映画が上映されていました。ちょうど「きもの文化検定教本」に芭蕉布が載っていましたので、よい機会と思い見てきました。
沖縄で「糸芭蕉」は畑に自家用として植えています。切り口は25
cm~27
cmの輪層で、外側より4種類に分かれていて、帯地には2番目の層「ハナウー」を使い、着物地には3番目の層の上質な糸「ハナグー」を使います。あとの糸は座布団や小物などになります。
一九七四年「喜如嘉芭蕉布保存会」が国の重要無形文化財に指定され、その中心的人物が平良敏子さんです。平良さんは芭蕉布と深く関わっている家庭に生まれました。太平洋戦争の時、女子挺進隊として倉敷で働いていた時、大原美術館創設者の大原総一郎氏との出会いがあり、沖縄の文化を大切に続けてほしいと励まされました。戦後、沖縄に帰った平良さんは、地元の方々と力を合わせ、少しの糸でも持ち寄って、芭蕉布を復活させたそうです。
現在でも作業の工程は昔のままで、映画では芭蕉布ができるまでの様子を連続して見ることができました。人との出会いは大切にしたいものです。