辰年は十二支の中で唯一、想像上の生物「龍」に例えられています。「辰」は「たつ」「しん」と読み、「漢書律歴志」によると「振」「震」の意味を持ち、草木が盛んに生長し、形が整った状態を表しているといわれます。なぜ龍としたか理由は定かではありませんが、龍は中国神話の偉大な霊獣で、古来より高貴な象徴とされ、文様は皇帝のみに使うことを許され、権力の象徴でありました。また、天に駆け昇るともいわれていることから、龍にまつわる言葉やことわざも多く、例えば「登竜門」の「龍門」は中国黄河上流のことで、そこに集まる多くの鯉のうち、滝を昇ることが出来た鯉は龍になると言い伝えられています。そこを通過すれば出世する。難しい関門のことの例えになっています。また、人名や色々なネーミングに使用されていて、リーグ優勝の中日ドラゴンズは、駆け上りましたね。おめでとうございます!
◆タツノオトシゴ
模様が龍に似ていることから辰年の十二支の絵柄によく使用されます。「竜の落とし子」は硬骨魚目ヨウジウオ科の魚で、熱帯・温帯の内湾で海草が繁殖するところに住み、体長1.5~35センチぐらいに成長します。オスが受精卵を体内で育てる唯一の生物で、オスの腹部に育児囊があり、この袋にメスが産み付けた卵を稚魚になるまで育てます。食性は小型の動物プランクトンなどを吸い込んで捕食します。今風で言うと「イクメン」ですね。古来、雄雌一対を乾燥させて錦の袋に入れ、安産のお守りとしていた習慣があります。(広辞林を参考にしました)