令和5年5月18日、名古屋市北区の魚鉄にて第73回修・卒業式が行われました。
コロナ禍の影響により三年振りの開催となりました。
二ヶ年修了生、高等科修了生、和裁士認定者の計5名が参加し、それぞれの修了証書と卒業証書、着装士認定証、和裁技能士技能検定一級合格証、和裁士認定証を授与しました。
式辞では西岡理事長が「和裁の道筋は決して楽ではありませんが、日本人が守るべきもの、伝えるべきもの、楽しむものとして『和の文化』の見直しの流れは大きなうねりとなって成長しています。皆様が和裁を通じてリサイクルやリフォームなど、日本人の着るものに対する素晴らしい知恵と技術を多くの人々に伝える役割を果たしてほしいです。『縫って、着て、着せられる』素晴らしい和裁士を目指し、和裁の技術を次の世代に伝えるようにお願い申し上げます」と述べました。
来賓としてお越しいただきました大森会長からは祝辞を頂戴し「近年SDGsという言葉がよく聞かれるようになりましたが、着物は昔からこの考え方によって作られているものであり、後世に残すべき伝統であります。私も以前は修了生・卒業生の皆さんと同じ立場でありました。修行時代には父親から和裁の手ほどきを受けましたが、和裁以外の仕事も沢山しました。当時は何故こんな仕事をと思う事もありましたが、今ではそれら全てが和裁に繋がっていると実感しています。皆様が修行で経験した事をしっかり和裁に役立ててください」と、ご自身の修行時代のエピソードを交えながら述べられました。
答辞では修・卒業生を代表して小笠原さんが「本日は私達のためにこのような素晴らしい式典を挙げてくださり誠にありがとうございます。入学したての頃は高校で習った洋裁の経験も活かせず、和裁の知識も浅い中で不安を感じていましたが、先輩方のアドバイスや明るい励ましのおかげで乗り越える事ができました。先生方のご指導のおかげで昨年は技能五輪大会に出場することができました。良い結果を出すには至りませんでしたが、今後の取り組みについて考える良いきっかけになったと感じています。この五年間で得た知識と経験を活かし更に上達する努力を重ねていきたいと思います」と述べました。